「今度はいつ来るんだい?」
 

帰り際に店主が訊ねた。


「近いうちに必ず」 僕はそう言って微笑んだ。

店主も微笑み頷いた。



店を出ると僕は大きく深呼吸した。

通りには車が幾台も走り、大勢の人々が会話しながら歩いていた。

しかしそんな音や声は、まるでどこか遠いまったくの別世界からやって来たようだった。
 


酒は飲むものを好きな場所へ運んでくれる。

そう語っていたボブは今、最も行きたかった場所である愛する夫人の傍にいる。



離れることはもう二度とない。