好きな人、つまり秋羅に彼女が出来たということは。


私にとってはさりげなく失恋で。


でもそんな私の気持ち、微塵も知らない秋羅は嫌っちゅー程にラブラブを見せつけてくる。



「見ろ、デブ!山本とお揃いだぞ!」


そう言ってブレスレットのついた腕を私の顔の前に持ってくる。


「………山本…?」


皮肉を込めて。

山本って彼女の名前だって知ってて。


だけど聞いた。


ちょっと。


ほんのちょっとだけど。


また口喧嘩したくなったから。