「羽流・・・。」

そして一緒に泣き始めた。


「しっかりしなくちゃ。
 

 私も貴方も・・・。
 
  

 凛を救うんでしょ。」



坂井は俺の手をとってそう言った。



「・・・。」


俺は何も返せなかった。


救う?

凛を?


それどころではない。

恐怖で自分がどうにかなりそうだった。



「羽流。

 貴方、凛を愛してる、と言ったわね。

 そして会いに行きたいと。


 一番大切な人が、今、苦しんでいるのよ。

 貴方は今、凛を救わないでいつ救うの?



 失う恐怖は後でだって感じるわ。

 それより、今は目の前の凛を救うことが大切だと思う。」


坂井の必死の説得も俺には届かなかった・・・。







そんな時、病院から、電話が入った。