「なに? 小春……」

「晴弥はね……小さい頃の、私が好きだったの。

今は、名前さえ、呼んでもらえないもん」

「え……?」

「今日も言ったけど、うちのお母さんがね、私を日本のアイドルだってウソついてたの。

それでね、ポスターとか写真集とか……勝手に送りつけてたみたい。

私、あの頃とほとんど変わってなくって、晴弥に全然慣れてもらえない。

サリンちゃんもびっくりしたでしょ?」






「う……ん。ミラクルだって思った。子供の頃かわいくても、大きくなると顔変わっちゃう子もいるよね。

でも、小春は、すごくかわいいままで……驚いたよ」

「かわいいまま? さっき、近くで見たらかわいいって言ったじゃない。

ホントのこと言っていいよ。子供のままなんでしょ……」

「……ううん」




サリンちゃんが私の頭をナデナデしてくれる。