だんだん事態が飲み込めてくる。


――どぉしよ……
確認すんのがすっごい怖い

でも、このまま突っ伏して
寝たふり続けてるわけにも
いかないし……。


あたしはしばらく迷ったけど、
覚悟を決めて体を起こした。


「……………?」


目の前に座ってたはずの
爽介はいない。


テーブルの上は見た感じ
そのまんまだし……窓の
外もまだ明るくて、さっき
からそんな時間が経ってる
ような気はしないんだけど……。


「―――よぉ。やっと起きたか」


「―――――!!」


物音とか、なんの前触れも
なく唐突に飛んできた声に、
あたしは思いっきりビクッと
肩を震わせた。


声の方向を見ると――ソファに
もたれた爽介が、目を
細めてこっちを見てる。


「そ、爽介……」


組んだ長い脚の上には、
雑誌が置かれてた。


あたしが寝ちゃったから、
雑誌読みながら待ってた――
そんなとこかな……?


「ご、ゴメン……。
あたし、つい寝ちゃって……」