だから今回のデザイン協力を
持ちかけ――一度は断られた
けれど、きっとそれは彼女の
本心ではないような気が
したから、諦めなかった。


そして、懐かしい専門学校の
校舎で彼女と話した夜に、
ようやくその本心を知って。


……あのとき亜莉紗に
言ったことは、全部紛れも
ない本心だ。


一度は挫折感を味わった
彼女にも、もう一度夢を
追わせてあげたい。


一緒に、目指したい。


――コイツなら、同志と
して一緒にやっていける――。


心から、そう思ったはずなのに。



「――同志、か……」


――ひょっとして、都合の
いい言葉でごまかそうと
してたか、オレ。




あの夜の、亜莉紗の涙は。


……思わずハッとする
くらい、キレイだったんだ。



次の日、雫の泣き顔を見た
ときに、ハッキリとその
違いがわかった。


雫は、他人に自分を認めて
もらうこと、理解してもらう
ことを求めて、それが
叶わないと、自分を
哀れんで泣く。