てゆーか、デザインの打ち
合わせって毎回ココでする
つもりなの!?


不覚にも、そっちの方が
気になってさらに緊張が
高まっちゃうあたし……。



そう――あたしは、緊張してた。


今から何時間か、あたしと
爽介はふたりっきり。

しかも、爽介の部屋で。


こないだみたいに、途中から
他に誰かが来るわけでもない。

ずっと、あたしと爽介だけ。


爽介の部屋で……密室で……。


――ダメだ 軽く胸が
オーバーヒートしそう。


マジメにデザイン考えなきゃ
いけないのに……こんな
こと考えてる場合じゃない
のに……!!


「オイ、本気でナニやってんの?

置いてくぞ!?」


エントランス前で凍りついた
ように立ち尽くしてるあたしに、
呆れた怒鳴り声が飛んでくる。


――うるさいわね! 
あんたのせいでしょーがっ!


そう怒鳴り返したいのを
グッと堪えて、あたしは
意を決して足を踏み出した。