見ると、貢が眼鏡の奥の
瞳をやや細めて、自分を
見据えていた。


今度のソレイユ杯――
ソレイユ国際ショコラ
ティエコンクールが、
爽介にとってもこの店に
とっても、どれだけ大きな
意味を持っているか。


それを再認識させて、言葉
通り気合いを入れようと
してくれている――そんな
ふうに爽介には見えた。


「――わかってるよ」


絶対に、本選までコマを
進めてみせる。

それは『目標』ではなく
『約束』だから。


そう。


――約束したからな、あいつと。


「そのようだな。
……がんばれよ」


貢の激励に、爽介は力強く
頷いた。





     ☆☆☆☆☆


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