｢え………？｣


雫の顔がこわばったが、
爽介は続けた。


｢オレがあいつ……亜莉紗に
固執してんのが、嫌なんだろ？｣


｢爽介………！｣


動揺がハッキリ見て取れる表情。


図星だということよりも、
それを爽介がストレートに
言葉にしてきたことに、
驚いているようだった。



そう……今までは、どうしても
最後の最後で、突き放せ
なかったから。


『それでも好きだから』と
言われると、自分に想いが
ないことは伝えつつも、
曖昧にしてしまっていた。


でも、それが逆に彼女を
傷つけていると、最近に
なってようやく気づいた。



だから、もう――。



｢雫。

お前がオレのこと好きに
なってくれたのは、マジで
サンキュって思ってる。

でも、オレの答えは、
前にも言ったけど―――｣


｢そっ、それはわかってるわ！｣


改めて聞くのが怖かったの
かもしれない。

雫が、明らかに続きを遮る
ように割って入った。