607号室……。
ここが、爽介の部屋みたい。


ホントにあたしをここに
招く気なのかな?

って、ドアの前まで来といて
ジョーダンとか、ないに
決まってるんだけど。


混乱してるあたしなんて
お構いなしに、爽介は鍵を
開けると先に中に入った。

目で、あたしにも入る
ように合図する。


もう、ここまで来たら
今さら引き返せない。


あたしは無言で、爽介に
案内されるまま中に入った。


「……………」


思ったより広くてキレイな
部屋で、あたしはちょっと
ビックリ。


そりゃ、あたしの家と
比べたら話にもなんないけど。


一応あたしにも、同世代の
人並みの生活の知識はある。


それを基準にすると、この
マンションは1レベル
グレードが高かった。

1LDKみたいだけどゆったり
してて広いし、ライトや
壁紙もちょっと凝ってて
オシャレ。デザイナーズ
かもしんない。


「とりあえず座ってろ。

コーヒーでもいれる」


大きな皮張りのソファを
指指して言うと、爽介は
カウンターキッチンに入った。