―――は―――?



「ぇ………ウソでしょ?」


たしかに周りの風景は
住宅街って感じ。


それに、降りた所もグレーの
外壁のマンションの前。


でも、だけど!!


「な、なんであんたんちに
あたしまで連れてくるのよ!?」


「なんでって……。
そんなカッコで外ウロウロ
できねーだろーが。

おまえんちなんて知らねーし」


爽介は平然とそう言って、
さっさとマンションの
エントランスに足を向ける。


「ホラ、とっととついて来い。

オレだってコスプレ女連れ
込んでるなんて誤解されんのは
ゴメンなんだ」


わ、悪かったわね
コスプレっぽくて!


てゆーか、着替える時間も
くれなかったのはあんたじゃん!


あたしはカッとなって、
半分ヤケで爽介の後を追う。


オートロックのエント
ランスを抜けて、あたし達は
エレベーターで6階へ上がった。


モスグリーンのドアが
いくつか並ぶ通路を歩いて、
突き当たりのドアの前で
爽介は立ち止まる。