そのとき―――。
すぐ傍で、バンッという
大きな音がしたかと思うと。
硬い靴底の大きな足音を
響かせて――あたしと
オバサンの間に、誰かが
割り込んできた。
そして―――、
「スイマセン。
コイツ体調悪いみたいなんで、
今日のところはカンベン
してやってください」
―――え……!?
この声って―――!!
あたしの視界は、その
誰かの背中で遮られてる。
真ん前に立たれてて、
あたしより背が高いから……
見えるのは、その人の
肩ぐらいしかない。
だからあたしは一歩下がって、
虚をつかれて呆然としながらも、
ゆっくりと視線を動かして
それが誰かを確認しようとした。
細身のデニムパンツに、
白いカットソー。
その上に、シルエットの
長い黒のベスト。
頭には、同じく黒の
カンカン帽を被ってる。
後ろ姿だから顔は見えないけど。
帽子から覗くあの髪色は――
間違いない。
すぐ傍で、バンッという
大きな音がしたかと思うと。
硬い靴底の大きな足音を
響かせて――あたしと
オバサンの間に、誰かが
割り込んできた。
そして―――、
「スイマセン。
コイツ体調悪いみたいなんで、
今日のところはカンベン
してやってください」
―――え……!?
この声って―――!!
あたしの視界は、その
誰かの背中で遮られてる。
真ん前に立たれてて、
あたしより背が高いから……
見えるのは、その人の
肩ぐらいしかない。
だからあたしは一歩下がって、
虚をつかれて呆然としながらも、
ゆっくりと視線を動かして
それが誰かを確認しようとした。
細身のデニムパンツに、
白いカットソー。
その上に、シルエットの
長い黒のベスト。
頭には、同じく黒の
カンカン帽を被ってる。
後ろ姿だから顔は見えないけど。
帽子から覗くあの髪色は――
間違いない。