大方の準備が整うと僕は最後にワードローブの小さな引き出しを開けた。

そこには腕時計が全部で七本、裸のまま並べられていた。

ほとんどのものはもう、とうの昔に動かなくなってしまったものだ。

僕はその中から一番右側の腕時計を取り出し、左腕に着けた。
 


この日が来ることをどんなに望んでいたことだろう。

僕にはまだうまく信じることができなかった。

僅か二日前のことが遥か遠い昔のことのように感じ、その日が本当に存在したのかさえ疑わしく思えた。

しかしそれは夢や妄想なんかではなく確かに現実として存在したのだ。


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