ふぅ――


たまらず、溜息をついた。

彼女は納得してくれていると思っていたのだが。

どうやら思っていたよりも私のことを心配してくれていたらしい。

私にとっては、差別やら世間の同情など取るに足らない感情なのだが……。


視線を上げて、彼女の魂を見た。

それはもうただの魂であって、言葉を返してくれるわけではない。

葬儀が終われば自然と輪廻転生の輪に戻っていくだろう。

迷うようであれば私が道を作るつもりだ。

だが、言葉を返せないはずの彼女の魂が、そうしなさい、と言っているような気がした。

――実際そうなのかもしれない。

彼女は私の器を生みだす母親に選ばれた魂。

巫女になりえる魂を持ちし人だったから……。