もっともっと小さい時に、知らない間に目を合わせていたら?

それを忘れてしまって、物ごころついてから目が合った人を初めてと勘違いしていたら?

疑問は次々湧いてきたけれど、今は結婚式の最中だ。

奏美は次のテーブルで幸せを振りまいている二人に視線を戻した。



ほどなくして、式は滞りなく終了した。

二人が退場する際に、天井からいくつものリーフが降ってきた。

奏美は、自分の目の前に落ちてきたリーフを手に取ってみる。

朝露に輝くように見えるそのリーフには、魔法が掛けられていて、手に持っても濡れない。

でも滴は付いている。

「うわー!キレイ!」