ミリーとロランの結婚式

キレイなんだろうな…
ロランだって王子様じゃないけど、王子様並のルックスだし…

ミリーのウェディングドレス姿を想像しながら、奏美は眠りに落ちていった。


夢の中で、奏美は泉のほとりにいた。

初めて待月草を見つけた時と同じように、花の前で佇んでいる。

そよぐ風と馬の蹄の音。

背後から感じる優しい微笑み。

これだ…

夢の中でイメージを完成させた奏美は、飛び起きると、スケッチを始めた。


待月草そのものをイメージして、瓶の回りに飾り付ける。

瓶の蓋は、飾りがあっても開けやすうように取ってを付けた。

それを籐の浅い籠に入れ、瓶との隙間には白い花と緑の濃い葉をあしらった。

このままインテリアとして飾っておける。

二人の新居のリビングに、いつも集うその場所に置いて欲しいと願いを込めた。