「実は、ずっと昔から決まっていたんだよ。」
「まさか子供の頃の約束とか?!」
「そんな感じかな?ミリー?」
「ええ。」
ミリーとロランが初めて会ったのは、5歳の時だった。
ミリーの一目惚れ。
ロランの目を初めて見た時、ミリーはその瞳に吸い込まれそうになった。
そして、この人と結婚するという確信を抱いたのだ。
わずか5歳だというのに。
「おおきくなったら わたしと けっこんしてね、ロラン。」
「いいよ ミリー。」
「やくそくやぶったら いやよ。」
「うん やくそくしようね。」
子供の戯れでも約束は約束だ。
二人とも、このことを胸の奥に秘め、今日まで生きてきた。