季節は巡り、秋になった。

応用コースも残り少なくなり、いよいよ準学士が目前だ。

アンとデイビスは、奏美よりも先にコースに入っていたので、そろそろ最終試験の時期だった。

一か月遅れだった奏美も、少しづつ差を縮め、2週間遅れで最終試験に臨めそうなところまでやってきた。

そんなある日、アンは授業を欠席していた。

「アンどうしたんだろう?」

「あ・ああ…体調でも悪いんじゃないのか…?」

デイビスの歯切れが悪い。

「お見舞い行ってみようかな。」

「大丈夫だよ。そんなに心配しなくても。」

「でももうすぐ試験なのに、アン大丈夫かな…。」

「アンには僕から伝えておくから、気にしないで。」

「そう?」

なんかおかしい。

別に病気のお見舞いくらいいいじゃないか。