いつもと同じ
上野を誰よりも
近くで見れる私の特等席。


さっき来た上野は
窓の外を悲しそうに見ていた。

今にも泣きそうな
とても、せつない表情で。


キーンコーンカーンコーン‥。


06限目が終わり
私は上野に話しかけた。

「今日、来るの遅かったね。
なんかあったの?」

「‥‥。」

上野は黙ったままだった。

「ねえ?聞いてる?」

「‥‥。」

もう一度聞いてみたけど
上野は黙ったままだった。


私は、無視されるぐらいなら
今は上野と一緒にいたくない、と
思って鞄をもって
教室を出ようとしたけど

「この後っ!!屋上きて。誰にも秘密で」


上野が私に、そう言った。


私は、上野の本当の気持ちを
知りたかったから

「うん。わかった。」

と言って

教室を出た。