その後はたわいもない話しをしながら
少しずつお互いのことを話して

本当は、先生の元彼が予想以上に多かったっていう事実には多少の焦りも感じたけれど
だけど俺は目の前の
今俺の目の前にいる先生を信じることにした

それはもしかしたら俺なりの精一杯の強がりだったかもしれないけど。

だけど俺のことを“好き”だと言ってくれた先生を
俺は信じたかったから。




その時の俺は早く大人になりたかった

その“大人”の部分が何を指すのか
当時の俺には全然分かってなかったけど

多分早く一人前になって先生に認めてもらいたかったんだ

一人の男として。






「なぁ寛人、知ってる?」


ある日の海人との会話で突然言われた言葉


「ん?」


「今年赴任してきた高岡先生っているじゃん?
ほら、俺がめっちゃ美人〜!って騒いでた」


まさか海人の口から先生の名前が出てくるなんて思わなかった俺は
多少の動揺を隠しつつも、そちらの話しに耳を傾けた