「じゃぁ質問していー?」


「え?」


突然礼儀正しく椅子に座り直した彼は、考え込むように数秒黙った後
あたしにそう言った


「質問1!
先生の好きな食べ物は?」


こんなに単純なことなのに。
あまりに楽しそうに質問タイムを始めた彼に
思わず笑ってしまう


「…えっと。
オムライスかな。」


「じゃぁ質問2!
初恋はいつですか?」


「え?
いきなりそこ?」


「ほら~、文句言わないの!
早く早くー」


「もー…
…中学二年生の時」


「ふ〜ん。じゃぁ質問3!
今まで彼氏は何人いましたか?」


「え?」


「どうしたの?
答えられないの?」


さぐるように顔を覗かれたあたしは
渋々過去の記憶を辿り、思い出を振り返る


「…6人かな?」


「…は?6人!?
ちょっと多くない?」



そう言って思い切り顔をしかめた彼は
その表情のまま次の質問を考え始める

あたしにはそんな彼の素直な反応が
嬉しくもあり恥ずかしくもあって
だからそれを隠すために小さく笑ってごまかそうとした