「…あ。」

すぐにその声に反応した少年は
あの人懐っこい笑顔をこちらに向けて近づいて来る

「先生!
昨日は本当ありがとうございました!
先生のおかげで、何も言われずに済みましたよ」

「本当?よかった。
今度からは気をつけるんだよ〜」

「はい!」



にこにこにこにこ。

とてつもない笑顔オーラにやられそうになったあたしは
それじゃぁ、と言い残し
教室の扉を開けた

もうこれで彼と関わることはない。
ていうか関わっちゃいけない、なぜかそう胸の信号が鳴り響いていた


でも次の瞬間。
彼の口からはあたしが予想もしなかった言葉が出てきたのだ



「ねー。先生。
ついでって言ったら悪いんですけど、俺に英語教えてくれませんか?」