はたっと、気がついたらそこは知らない場所だった。


なんだか、上手く回らない頭でボンヤリ思う。

―あ〜、オレ天蓋付ベッドって初めてだわ…。


起き上がり、髪をポリポリ掻きながら、キョロキョロと辺りを見てみる。


がちゃり。
豪奢な扉が開いた。

「起きた?何か食べる?」

さっき道を訊いてきた外人が、流暢な日本語で話かけてくる。

―ん?日本語喋れるじゃねーか…。


そう思った瞬間、目が覚めた。

「てめぇ…どういうつもりだよ…。」

キッ、と睨み付ける。
拉致監禁じゃねーかよ!


「言っとくが、オレんち金ねーぞ…。」

「いやだな!お金なんて!君に値段なんて付けれないよ。」

にこにこと笑いながら、近寄ってくる。

その笑顔が胡散臭い…。

「君は、運命って信じるかな?」


バキッ。

近づいてきた顔を殴り、文字通り脱兎のごとく………


逃げた。