「百合の事もたまには話してやんねーと、あいつすんげー怒るぞ?」
ケラケラと一瞬笑ったが、すぐに表情を戻した広樹さん。
「でも。あいつのせいで前に進めない陸を見たら、もっと怒るな」
「広樹・・・」
「だから、本当に良かったよ。おめーに奈緒ちゃんは必要だ!百合も絶対喜んでる」
広樹さん・・・それを言うために陸さんに会いに来てくれたの?
普段はおちゃらけてるけど・・・ちゃんと陸さんや百合さんの事思っててくれてたんだね。
「でももし奈緒ちゃんをまた泣かせるよーな事したら、いつでも奪いにいくからな~」
「それはもうねぇから安心しろッ」
2人は笑いあっていて、その様子になんだかホッとした。
「さーて!そろそろ俺は帰るとしますか!」
広樹さんが立ち上がり、玄関へ行こうとした時、陸さんが呼びとめた。
それはとても神妙な面持ちで・・・
「なんだよ?」
何も言わない陸さんを、あたしと広樹さんは不思議そうに見つめる。
「あ・・・あ・・・」
・・・・・・???
「・・・ありがとな」
う・・・うわぁ・・・
陸さん顔赤くなってるー!!!
そんな顔するなんて反則じゃない!?
あたしがキュンキュンしてると、横にいた広樹さんが照れくさそうに笑った。