そう笑い合っていると、いつの間にか陸さんのアパートの近くまで来ていた。
「もうこの辺で大丈夫です!本当にありがとうございました!!」
あたしが一礼すると、「陸に会ってっていい?」と言われたので、結局アパートまで荷物を持っていってもらうことになった。
偶然会ったとはいえ、また広樹さんと2人っきりになった事に、少し後ろめたさを感じる。
案の定、2人で帰るとソファに横になっていた陸さんは一瞬驚きを見せたが、すぐに不穏な表情に変わった。
「わ!その明らかに嫌そうな顔やめろよっ」
広樹さんはあたしと初めて出会った日のように遠慮もせず、すばやく靴を脱いで上がりこんだ。
「何しに来たんだよ」
「あの・・・さっき偶然会って、買い物袋持ってくれたのっそんで陸さんにも会いたいって言ってて~」
あたしがにこやかに説明しても不機嫌オーラは全く消えず。
そんな陸さんが気になりながらも、あたしはお茶の用意をすることにした。
「広樹さんっ冷たいお茶でいい?」
「うんっおかまいなく~」
ズカズカと部屋に入り、陸さんの向かい側にどっかりと座った。
広樹さん、さすが陸さんと付き合い長いだけあって、あんだけガンとばされても物ともしないんだな・・・
あたしはコップにお茶を入れながら横目で2人の様子を見ていた。