「俺さ、結構本気だったんだよな。あの日から奈緒ちゃんの事頭から離れられなかったし・・・昔付き合った女と別れてからはしばらく誰にもこんな気持ちになんなかったんだけど」



「昔付き合った女って・・・美由紀さんって人ですか?」



「な、なんで知ってんの!?」



「あ、ちょっと陸さんに昔の事聞いて・・・ごめんなさい」



「あーいや。もう良いんだけどね。美由紀はさ…百合の事相当ショックだったみたいで。なんか族やってた俺と付き合うの恐くなったみたいなんだよね。あん時俺も女より男とつるんでた方楽しかったからな・・・あいつの事、もっと大事にしてやればよかった。」



「後悔・・・してるんですか?」



「まぁちょっとな。でももう昔の事だから。あいつが今幸せに暮らしてくれてんなら別にいーんだ」




広樹さんと美由紀さん・・・


2人は本当に仲が良かったって陸さん言ってた。




「・・・んなことより。乱華の奴に聞いたけど陸引退するらしいじゃん。奈緒ちゃんの事、本気で大事にしてんだなって思った。あ~・・・俺の入る隙ねぇかぁー」




広樹さんはぐーんと背伸びをしてから振り返った。



「別れたらいつでも連絡待ってっから」



イタズラっぽい笑みを浮かべる。