どうしてやり返さないの陸さん・・・


このままじゃ・・・




その時、騒ぎを聞きつけたのか、ファミレスの店員や乱華のみんながこちらに走ってくるのが見えた。



「てめーらぁあ!!何やってんだよぉ!!」



亮輔さん達が陸さんを殴っている奴らに殴りかかっていく。


隣にいた宇都宮が「ちっ」と舌打ちし、「引き上げるぞ!」とdeathの奴らに指示した。


乱華は約20人ほどいたので人数的に敵わないと思ったのか、逃げるようだ。


あたしを拘束していた男達もようやく手を離し、自分の単車に乗りこんだ。



すぐに陸さんの所へ向かった。



ぐったりしている陸さんの顔や体から血が出ていた。


綺麗な顔もボコボコであたしは血の気が引いた。



「陸さん!!」



あたしの声にぴくっと眉が動く。



「な・・・お・・・無事か・・・?なんもされてねーか・・・?」



傷だらけの手がゆっくりとあたしの頬に触れる。



「大丈夫・・・あたしは大丈夫だから!!・・・なんで陸さん・・・」



涙で言葉がつまる。


言いたい事は沢山あるのに・・・



「約束・・・だったからな・・・」



「え・・・?」



「もう喧嘩しねぇって・・・約束」




あの日・・・


乱華を引退するって言ってくれた日・・・



“ん・・・もうしねーよ絶対。約束する。”



陸さんは喧嘩しないって約束してくれた。