みんな困惑して顔を見合わせている。


「亮、おめーもそろそろ辞めるつもりだったんだろ?」


「・・・・・・」



何も言わず、俯いている亮輔さん。



「栞の事も安心させてーって言ってただろーが」



陸さんの言葉に栞が、「本当なの!?」と亮輔さんに確かめると、照れくさそうに頷いた。



「まぁ俺もお前に散々心配かけたしな・・・陸と一緒に引退すんのが一番いーかもしんねーな・・・」


「亮・・・」



栞が亮輔さんに思いっきり抱きつく。



「し、栞ッ!!」


「亮・・・ありがとう!!!」


「おま・・・みんなの前だぞっ!」




強く抱きつかれ、恥ずかしそうにしながらも嬉しそうな亮輔さん。



「さっきは俺様に抱きつけとか言ってたじゃんっ!!」


「そ、それは冗談でだなー・・・」




慌てふためく亮輔さんの様子が面白くてみんなで笑った。



「そんで・・・次の総長は今江、お前にまかせっから」



陸さんは隣に座っていた今江君の肩を掴んだ。


今江君はあたしとタメで、陸さんが一番可愛がっている後輩。



「え!!俺っすか!?むむむむりっすよ!」



周りが「ぉおおお~っ」とどよめき立つ。



「俺、桐谷さん達がいたから走って来れたけど、自分が頭になるなんて・・・むりっす!!」