あたしがいなくなり、みんなはまた楽しそうに遊びはじめた。 そのうち病院のアナウンスで子供は病室に帰っていく。 数年前までは、あたしもあの音で病室に戻っていたな。 「治るのかな……」 呟いた言葉は、誰もいない公園に静かに消えていく。 手術しないかぎりは、治ることのない病気。 「気分でも悪いの?」 「えっ一一…!?」 気づくと、俯いていたあたしの顔を覗くようにして男の人が現れた。