「そうそう!今日さ、芙由に逢わせたい人がいるのよ」
「逢わせたい人?」
プリンが食べ終わり落ち着いていると、思い出したかのように栞が言った。
栞が私に人を逢わせようとするのなんて、いつ以来だろうか。
「名前は北瀬瑠衣。年はあたし達と同じね」
「学校の友達?」
「同じクラスで、芙由の話をしたら逢ってみたい、って
芙由が前にギターに興味あるって言ってたから、それを言ったら聞かせてあげたい、って」
そういえば、前にそんなことを話してたような。
楽しそうに話す栞を見て、あたしはなんだか笑みが零れてきた。
「聞かせてもらおうかな、ギター」
「オッケー!連絡してくるね」
「私は外の公園にいるね」
急いで電話をしに行った栞。
まるで子供みたいで可愛いな。
あたしは嶋さんに公園に行くことを伝えてから向かった。