ジャン一一…
公園に響き渡るギターの音。
静かに…ゆっくりと。
まるで波紋のように、鳴り響く。
それに合わさるようにして、彼の歌声が綺麗に混じっていく。
英語の歌詞…
切ないような、どこか懐かしいような、そんな感じになった。
“thinks only of you.”
その歌詞が、みょうに私の頭に残っていく。
瑠衣の視線がこっちを向いているから、急に恥ずかしくなって、反射的に下を向いた。
“君だけを想う”
まるで、言われたみたいに、その瞳がやきついていく。
どうしちゃったんだろう、私。
呼吸が乱れてる気がする。
発作かな…。
でもさ、やけに鮮明に音が流れてくる。
苦しいけど、嫌じゃない。
こんな風に楽しそうにギターを引く人を、初めて見たかもしれない。