黙ってついていくと、辿り着いたのは…







…校長室。



とは言っても卒業式の真っ最中な訳だから勿論校長は居ない。



あたしがどうしたらいいか分からずつっ立っていると、黙っていた担任が口を開いた。


「神楽坂、いいか、落ち着いて聞いてくれ。
…たった今お前のお母さんが事故に遭われた。
すぐに近くの大学病院に搬送されたんだが
…救急車が来た時にはもう手遅れだったそうだ。」



「えっ…」



頭が真っ白になった。

…手遅れ?どういうこと?
意味分かんないよ。




ううん、意味は分かってる。


認めたくない、受け入れたくないだけ。



…ぽと



…ぽとぽと…ぽと



勝手に溢れ出した涙が頬をつたっては床へと落ちていく。




「…っ、先生…病院へ…は…母の所へ…行かせてくだ…さい…」




担任は黙って車で母の搬送された大学病院に連れていってくれた。