ひとつの可能性。
彼とパロに共通する偶然と、パロのこの現象。
わたしはパロを抱きしめながら、感情を出さないことを誓った。


それが一週間ほど前の話だ。


* *

誰かに話すのはためらったが、わたしをよく気遣ってくれる母にだけは話すことにした。

パロがわたしの笑顔で死に、涙で生き返ったことを伝えると、まず相手にしてくれなかった。
そこで、この一回だけは誓いを破って、彼のことを思い出しながら、すこしの涙を小瓶にいれ母に渡し、母の納得できる形で使用してほしいと伝えた。