放課後。

体育館裏に約束どおり来ると、例の男子が不安な面持ちで待っていた。
彼に呼んだ理由を問うと、予想通りであった。
素直で当たり前の結論。
それはわたしにとって幸せなものだった。
彼がひそかに好きだった。
だから不安だった。
何を言われるか、不安でしょうがなかった。

彼に返事をしようと、笑顔になった瞬間だった。

彼が倒れる。

誰かが気付いて救急車を呼んでくれるまで、わたしは動くことができなかった。
救急車の付き添いで病院に行ったが彼は手遅れだった。