帰宅し自室に戻ると、わたしはその男子のことを考えるようになっていた。 笑うこともできないわたしをどうしようと思って呼び出すのか。 あの朱い顔を思い出せば、答えはひとつで決まっていたはずなのに、わたしの思考は悪いほうへ悪いほうへと傾いて、当たり前の結論を許してくれない。 いつの間にかパロが自室に入ってきていた。 駆け寄って、寄りかかりながら甘えるパロの声が少しずつ古いわたしを思い出させてくれた。