ここにいるのは・・・私だけ。



「なんなのよ・・・」


夢のような光景。

だけど、それはまぎれもない事実で



「どうしたらいいの…」


あれだけの大きな力。

自分とどれだけ差があるなんて明白だった。


それを1人でやらないといけない。


苦しくて、きゅっと目を閉じた。




逃げたい・・・怖いよ・・・




『かーのん!』


えっ?



繭の声が聞こえた気がした。

でも周りには誰もいない。



『神崎』

『神崎さん!』

『叶音ちゃん』



繭だけじゃない。

山本くんやクラスメートや今まで出会った人たちが私を呼ぶ声が蘇る。



み・・んな・・・




『叶音。俺はお前を信じているから。どんなときもな』



「・・・・」



そうか・・・

そうなんだね・・・



今、わかった気がする。



私は---…