「ただ自分は他の人がもたない力を持っていることは理解し、ずっと隠して普通に生きてきたよ。
でかくなる度に力が使えるようになり、今は人1人なら瞬間移動できるようにまでなった」
松岡さんは私と翼を見つめた。
「その様子だと君たちは本物のようだね。だから君が感じたように、僕も感じたのかもしれない。同じ異界の血が流れる者同士ね」
異界…そうね。この世界から見ればお伽噺のような世界。
しかし、どうあがいてもその事柄は変えられない事実。
「そして、そちら世界では僕の行いはよくないみたいだ。
どうする…?」
じっと真剣な目で見てきた。
翼も次の言葉を静かに待つ。
確かに神力を私欲に使った松岡さんは褒められるものではない。
けど…