すぐに振り返ったが、すでに遅し。


黒いものが襲ってきていた。






「キ、キャァァァ!!!」






――――




―――









「・・・・!!」



なにか聞こえた気がして後ろを振り返った。


だが何もない。





「…天越くん?」


「えっ…」


「どうかした?」


お化け屋敷なのに、にこやかに笑う握野。



こいつは本当に不思議なやつ。


迫力満点以上のこのお化け屋敷にいるのに悲鳴一つあげない。



だが、今は関係ない。





「いや・・・」



気のせいか…?


今、一瞬叶音の声が聞こえた気がしたんだが…





「…いや。なにもない」







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―――