『そうだよ!俊、今年も学級長やれよ』

『はぁ~?』

『西山もそう思うだろ、な!!』

『おう。そして今年も苦しめ(笑)』

『お前等な~』

俊チャンは座ったままで、立っている二人を見て少し考えていた。学級長は面倒くさいし、やりたくはないけど‥ここで拒否してたら埒が明かない事くらい分かっていた。すると、先生は「やれ」という顔で俊チャンを顎で指した。


『分かったよ!俺が学級長やればいいんだろ!!』

そう怒鳴って言った後、ずっと外を見ていた。怒っている。めちゃめちゃ怒っている‥。

漸く二人も俊チャンの様子に気付き、あたふたし出した。いかに自分達の言動が格好悪かったかも。謝ろうと何度も試みていたが、今の俊チャンの周りを覆っているオーラが「話しかけるな」と訴えていたので、チョコンと静かに自分の席に座った。


パンパン パン

突然、先生が手を叩いた。

『学級長も決まったことだし、ついでに副学級長も決めちまおうと思うんだけど、立候補するものはいるか?』

すると、3姉妹以外にも‥っていうより、私と華代を抜いた女子が挙手をしていた。


『何だなんだ?このクラスは女子は積極的なんだな』

その光景を見て、先生は何度も頭を上下に振っていた。「先生‥それは少し違っています」今の女子の心境を実況したかった。

『でもな~‥こんなに立候補者がいても‥』

頭を抱えて悩んでいると、優等生の小林君が久しぶりに登場した。


『先生!俺に任せてくれませんか?』

隣から、何か企んでいるような気配をビシビシ感じた。