田中さんが転校してから約一ヶ月が経った。今日は、待ちに待った入学式だ。
2年間お世話になった柳先生は、田中さんと共に私たちとさよならをした。だから、今年からは新しい人が私たち3年1組の担任の先生になる。
この学校は、人数が少ない為クラス換えがない。つまり今年も‥
『結、おはよう』
『おはよう、華代。それから和樹君も』
『おう。
ってかあいつ、入学式早々遅刻するつもりかよ』
3人で教室のドア付近を見つめていた。すると‥
ドキドキ
脈拍数が一気に上がった。
『おっ!やっと元学級長の登校だ。遅いぞ、俊』
『悪いな』
そう言いながら、俊チャンは私たちの近くに歩み寄った。
『‥久しぶり』
『あっ、うん‥久しぶりだね‥』
私は下を向いて机を、俊チャンは横を向いて外に目をやった。
少しの間、誰も口を開かなくて怖いくらい静かだった。私にとって、この静かな時間は気持ちを落ち着かせるためには快適だったのに、華代は妙にはしゃいでいた。
『何か‥あったね?』
そう言って、私たちを交互に指差した。
『べ、別に何も‥ねっ!俊チャン?』
『おう。一回だけ土手の陸上競技場で逢っただけで、他は別に』
『へぇ~。休み中に、二人は逢ってたんだ(笑)』
痛いところを突かれて、俊チャンは返答に困っていた。私は、この場から回避する方法を一生懸命考えた。華代は、そんな私たちの反応を面白がっているみたいで、私の顔を見ながら言った。
『そっか(笑)
そろそろ新しい先生が来ると思うから、私と和樹は席に戻るね』
私たちに背を向けて、席に向かってスタスタ歩き始めた。俊チャンは黙ったまま一度私を見ると、すぐに自分の席に着いた。
漸く解放された気分だった。
2年間お世話になった柳先生は、田中さんと共に私たちとさよならをした。だから、今年からは新しい人が私たち3年1組の担任の先生になる。
この学校は、人数が少ない為クラス換えがない。つまり今年も‥
『結、おはよう』
『おはよう、華代。それから和樹君も』
『おう。
ってかあいつ、入学式早々遅刻するつもりかよ』
3人で教室のドア付近を見つめていた。すると‥
ドキドキ
脈拍数が一気に上がった。
『おっ!やっと元学級長の登校だ。遅いぞ、俊』
『悪いな』
そう言いながら、俊チャンは私たちの近くに歩み寄った。
『‥久しぶり』
『あっ、うん‥久しぶりだね‥』
私は下を向いて机を、俊チャンは横を向いて外に目をやった。
少しの間、誰も口を開かなくて怖いくらい静かだった。私にとって、この静かな時間は気持ちを落ち着かせるためには快適だったのに、華代は妙にはしゃいでいた。
『何か‥あったね?』
そう言って、私たちを交互に指差した。
『べ、別に何も‥ねっ!俊チャン?』
『おう。一回だけ土手の陸上競技場で逢っただけで、他は別に』
『へぇ~。休み中に、二人は逢ってたんだ(笑)』
痛いところを突かれて、俊チャンは返答に困っていた。私は、この場から回避する方法を一生懸命考えた。華代は、そんな私たちの反応を面白がっているみたいで、私の顔を見ながら言った。
『そっか(笑)
そろそろ新しい先生が来ると思うから、私と和樹は席に戻るね』
私たちに背を向けて、席に向かってスタスタ歩き始めた。俊チャンは黙ったまま一度私を見ると、すぐに自分の席に着いた。
漸く解放された気分だった。