ニクノヒ(2月9日)は一日中、田中さんを見ていた。イヤ‥監視していたという表現の方が妥当かもしれない。
俊チャンと一緒にいる光景を見たとき、どんな話をしているのか凄く気になった。でも、会話が終わった後、何事もなかったかの様に二人が離れると安心した。それはまだ「知らない」という事を知らせてくれるからだ。
もし知っているなら、私に近づいてこう言うだろう。
「邪魔するから」って。
でも、それがない今は安心して授業を受けることが出来た。
お昼を食べ終わり
午後の授業が終わり
放課後の掃除が終わり‥徐々に教室に残っている人が減っていき、等々私を含め4人になっていた。
『結、今日もごめん!!和樹と一緒に帰るの』
そう言って、両手を合わせて申し訳なさそうな顔で見てきた。
『ううん。平気だよ!また明日学校で』
私は満面の笑みで返事をした。すると、和樹君が華代の横に並び「悪いな」と一言言うと、今度は俊チャンに向かって短くピースサインを送って教室を出て行った。
あれは何だったんだろう?
首を横に傾けてドアを見ていると、俊チャンが近づいてきた。教室には私たち2人しか残っていない‥。緊張のあまり手が震え出した。
『じゃあ~俺らも帰ろっか?』
『あっ!うん‥‥』
ランドセルに手を伸ばしたとき、田中さんの机が気になった。
「もしかして、まだ残っていたりして‥?」伸ばしていた手を一旦止め、目だけを動かしてランドセルの有無を確かめた。
ふぅ~‥
ランドセルが無い事が分かると、自然と笑みが零れた。
『ねっ!!今日は、細い路地を通って帰らない?』
『細い路地って、少し遠回りになるけど‥時間大丈夫?』
『うん、私は平気だよ。ダメ?』
『いいけど。あの場所、本当に出るって知ってた?』
『えっ!?』
無意識に俊チャンの服の袖を掴んでいた。それに気付くと俊チャンは私の顔を見て、ちょっと笑った。
その直後は凄く恥ずかしくて赤面したけど。
慌てて手を離したけど。でも、本当は‥
凄く嬉しかった。
俊チャンと一緒にいる光景を見たとき、どんな話をしているのか凄く気になった。でも、会話が終わった後、何事もなかったかの様に二人が離れると安心した。それはまだ「知らない」という事を知らせてくれるからだ。
もし知っているなら、私に近づいてこう言うだろう。
「邪魔するから」って。
でも、それがない今は安心して授業を受けることが出来た。
お昼を食べ終わり
午後の授業が終わり
放課後の掃除が終わり‥徐々に教室に残っている人が減っていき、等々私を含め4人になっていた。
『結、今日もごめん!!和樹と一緒に帰るの』
そう言って、両手を合わせて申し訳なさそうな顔で見てきた。
『ううん。平気だよ!また明日学校で』
私は満面の笑みで返事をした。すると、和樹君が華代の横に並び「悪いな」と一言言うと、今度は俊チャンに向かって短くピースサインを送って教室を出て行った。
あれは何だったんだろう?
首を横に傾けてドアを見ていると、俊チャンが近づいてきた。教室には私たち2人しか残っていない‥。緊張のあまり手が震え出した。
『じゃあ~俺らも帰ろっか?』
『あっ!うん‥‥』
ランドセルに手を伸ばしたとき、田中さんの机が気になった。
「もしかして、まだ残っていたりして‥?」伸ばしていた手を一旦止め、目だけを動かしてランドセルの有無を確かめた。
ふぅ~‥
ランドセルが無い事が分かると、自然と笑みが零れた。
『ねっ!!今日は、細い路地を通って帰らない?』
『細い路地って、少し遠回りになるけど‥時間大丈夫?』
『うん、私は平気だよ。ダメ?』
『いいけど。あの場所、本当に出るって知ってた?』
『えっ!?』
無意識に俊チャンの服の袖を掴んでいた。それに気付くと俊チャンは私の顔を見て、ちょっと笑った。
その直後は凄く恥ずかしくて赤面したけど。
慌てて手を離したけど。でも、本当は‥
凄く嬉しかった。