『ニクノヒニカエル』

私は慌ててポケットから一枚の紙を取り出した。それは、以前に俊チャンからハンカチと一緒に渡された「2月9日、一緒に帰ろう」と書かれていた紙だ。

『ニクノヒニカエル‥2月9日に帰る‥それって、私たちが一緒に帰る日を田中さんに教える為のものだったの?』

私には、俊チャンが何を意図しているのか分からなかった。


田中さんが俊チャンの好きな選手を知っていたとは思えない。つまり、ヒントを攻略する事は不可能である。今日の放課後、教室に残っていて私たちの会話を聞いていて、私と同じように今日の新聞に目をやっていれば‥

明日の放課後を阻止することは出来る。でも、そんなことはあり得るんだろうか?しばらく解読した紙を見ていた。


結局その日は、何の答えも見出せないまま寝床についた。外に目をやると、空には星が、数えられるくらいだが一つ一つが輝いていた。