『華代って男子と話したりしないじゃん?だから、男子の事をほめた所なんて私、初めて見たっていうか‥。だから重みがあると思うんだけどな』

『結!!』

軽く言ったつもりだったけど、流石に華代が止めに入った。私は反省の色など見せず、笑顔で舌を出した。


『えっと‥何て言うか‥二人ともありがとう。俺、あんまりほめ言葉とか言われたことないから照れくさいけど、やっぱ嬉しい。言われすぎて慣れるのもどうかと思うけど、減るもんでもないし‥言われたらその度に嬉しいものだな。‥‥華代』

『『えっ!?』』

和樹君の最後の言葉に私たちは驚いた。今‥華代って言わなかった?


すると、和樹君は乱れた髪を直しながら華代を見ないで言った。

『今日から華代って呼んでもいいか?』

整えた髪は、和樹君が少しでも動くと犬の耳のようにピクピクと揺れた。その姿が少しだけ‥可愛いと思ってしまった。

その間に華代は3歩前に進んでいた。

『私も‥今日から和樹って呼んでもいいかな?』

『お、おう!!』

そう言って二人は見つめ合って笑った。すると、待ってました!!と言わんばかりの眩い光が二人を射した。よくドラマとかで見かけるような光が、右斜め上の方から二人を照らしていて、とても綺麗だった。


私は二人に気付かれないように、静かに後ろに下がっていった。後ろの状況など気にせず下がった為、途中誰かにぶつかった。

『ごめんなさい!!』

謝りながら振り返ると、その人は怒っているのではなく笑っていた。