試合が再開した事を確認してから、俊チャンに向かって叫んだ男の子が、大きく息を吐いた。


『ふぅ~‥。俊の顔‥怖かったな』

額には薄っすら光るものが見えた。

『お前が変なこと聞くから‥』

『それは‥!!でも、あんなに怒るって事は‥』

そう言って、皆が私を見てきた。


『えっ!?え~??』

『やっぱり、そう言うことか』

一斉に皆が頷いた。私だけが理解できていなかった。


『俊チャンが怒ったのって、試合を中断されたからでしょ?』

『は!?』

『だって、今の俊チャン凄く楽しそうだよ。生き生きしてる』

私はマウンドに立っている俊チャンを指差した。皆も俊チャンを見つめていた。


『‥そうなのか?』

『そうだよ』

私が笑って見せると、皆も機嫌が直った俊チャンにホッとしたのか、試合に参加し始めた。そして、あっという間に私の周りからいなくなってしまった。


しばらくキックベースをしている姿を見ていた。
私は、今日は試合に参加しないで応援に専念することにした。もちろん‥俊チャンびいきだけど。