私が校庭に着いたときには、すでに試合が始まっていた。今日の種目は「キックベース」
私は歩きながら今、攻撃しているチームの方に近づいた。すると、次にボールを蹴る人が私に気付いた。


『桜井が戻ってきたぞ』

すると、この声を聞きつけ、攻撃チームの皆が私の周りに集まってきた。その中には、和樹君もいた。


『遅くなってごめんね』

私は真っ先に謝った。すると和樹君が私に聞いてきた。

『3姉妹、何だって?』

男の子達は、食いつくように私に近づいて来た。


『えっと‥3姉妹って‥誰?』

私には、誰の事を指しているのか分からなかった。

『桜井、3姉妹の事知らないのか?』

『えっ!?う、うん‥』

『そっか。3姉妹ってあだ名は、男にしか浸透していないのか‥』

皆納得したように頷いていた。


『だから、3姉妹って誰の事!?』

私は少し強めの口調で言った。

『あっ、悪い。えっと、だから‥さっき桜井に話しかけてきた3人の事だよ』

『3人って、由愛チャンと花梨チャンと千鶴チャンの事なの?でも、どうして?』

『だって、あいつ等いつも一緒にいるだろ?だから俺達の中では3姉妹って呼んでるんだ。誰にも言うなよ!!』

『あっ、うん‥』

それを聞いた時、男の子って何考えているのか分からない、得体の生き物だと思った。


『それで何話したんだ?』

『えっと~‥』

私は考えた。
さっきの話‥言ってもいいことなのだろうか?口止めされなかったけど‥言わない方がいいよね?

3人の気持ちを考え、さっき話した内容は言わないことにした。


『えっとね、今度みんなで遊ぼうねって言われたの』

『ふ~ん、そうなんだ。俺はてっきり、俊との仲を聞かれたのかと思った』

『えっ!?俊チャンとの仲?』

『あれ?桜井知らねぇの?今、クラスの女子の間で話題になってるんだぜ(笑)』


知らない!
知らないよ!!

私は和樹君に掴みかかった。


『詳しく教えて』

その時の私は何故か必死だった。