『もちろん全員に返したし』

躊躇せずあっさりと質問に答えた。

『本当に?』
『あぁ。棒つきの飴をな』

えっ?

『そうなんだ~。全員って大変だな』
『そうか?』

ちょっと待ってよ。

『そうだよ。モテル男は辛いな』
『本気でそう思ってる?』

私が貰ったのは‥

『思ってない(笑)』
『和樹はどうなんだよ?』

キャラメルだよ?

『俺は1個で充分さ』
『大原だけって事か』
『当たり前』

2人は笑っていたけど、私は正気ではいられなかった。アタフタしている私に華代は気付いたけど、華代もまた頬を赤く染めて「どうしよう」という顔で私を見ていた。こっちもテンパっていたので「どうしよう」という顔で返してしまった。

『悠はどうなんだよ?』

今度は悠君に的を絞っていた。その間に私と華代は冷静さと取り戻そうと必死になっていた。

『俺?』
『誰に返したんだよ』

私だけ特別って思っても良いのかな?

『俺も貰った子全員に返した。それから‥』
『それから?』

もしそうなら嬉しいな。

『一人だけにはプレゼントした』
『誰にだよ!?』
『ヒミツ』

嬉しくて頬が緩みっぱなしだった。

『って、そこの2人。ちゃんと俺らの話聞いてるのか?さっきから顔真っ赤だぞ』

『『えっ?』』

華代と顔を見合わせた。本当だ‥和樹君の言うとおり華代の顔は真っ赤だった。

『ふっ』

先に華代が笑ったのでつられて私も笑った。

『おい~。何処にも笑うところなんて‥』

その後、暫くの間声に出して笑った。