『えっと~‥松浦俊です。名簿番号は男子の中でも全体でも2番目です。‥以上』

『えっ!?それだけ?』

『充分だろ。他に何がある?』

『他には‥』

両手を組んで考えてた。

『好きなスポーツは?』

『そんなのここにいる全員が知ってるだろ』

『いいから、いいから(笑)』

『分かったよ、答えれば良いんだろ?』

私は笑顔で頷いた。

『好きなスポーツは野球です』

『ポジションは?』

『和樹~‥』

『いいから、いいから(笑)』

『分かったよ。
ポジションはピッチャーです』

『憧れの選手は?』

『大原~‥』

『『いいから、いいから(笑)』』

その後も、4人でグルになって俊チャンを質問攻めにした。ブツブツ言いながらも、全部の質問に答えてくれた。


『じゃあ俊、これが最後の質問な』

『やっと終るのか‥。それで最後の質問は何?』

『最後はな‥』

チラッと私を見てから言った。

『ズバリ、先月のホワイトデーはお返しをしましたか?』

『『えっ!?』』

思わず私まで反応してしまった。

『何で桜井まで驚くんだよ(笑)』

『だ、だって質問する前に私を見るから‥それでつい‥』

『何だよそれ。俺の所為だって言いたいのか?』

『そうじゃないけど‥』

否定するのも可笑しいし、だからと言って肯定するのも何だか変だし‥この状況で何を言えば良いのか考えたけど、結局分からなくて下を向いて黙った。

私の出方を見てから、再び和樹君は口を開いた。

『で、本当のところはどうなんだよ?』

華代にだけは話してあるから、和樹君と悠君だけが興味津々といった顔で俊チャンを見ていた。