『結チャン、席分かる?』


『分かるよ、お母さん。だから後ろに行ってて!!』


今日から私は小学1年生。私のクラスは1年1組。
私は、クラスの女の子の中で生まれが一番早いみたい。だから机が一番前にあった。


『おはよう』

隣に座っていた男の子が挨拶をしてくれた。


『おはよう』

私は、背中に背負っていた真新しい「ランドセル」を机の右側にかけた。



『サクライ‥何て読むの?』


『私の名前はサクライユイだよ。えっと~‥』

私は、隣にいる男の子の胸についているネームプレートを見た。


『小林‥??』


『小林徹平(コバヤシテッペイ)だよ。これから6年間宜しく』


『こちらこそ、よろしくね。小林君』

隣の人が話せる人でよかった。私は一安心していた。


『後ろの席の人来ないね‥』


『男子と女子が隣同士になるようになってるから、ここの席は男だね。それに、誕生日は5月かな』


『何で5月だって分かるの?』


『それはね、僕が4月生まれで、2つ後ろの席の西山クンが6月生まれだからだよ。4と6の間は5でしょ?』


『凄いね!小林君って頭いいんだね』


『4月に生まれた人は、みんなのお兄さんだってお母さんが言ってたんだ』


『そうなんだ~。じゃあ、私は小林君の妹になるのかな?』


『5月生まれなの?』


『うん。5月9日だよ!!』


『じゃあ、僕の妹だ(笑)』

小学校ってこんなに楽しいところなんだ。私はそう思っていた。



「これで、俊チャンも同じクラスだったらいいな‥」
私はそんな淡い思いも抱いていた。