『悠も‥頼むから俺から離れてくれ~』

重々しい足取りで席に戻って行った。


『何あれ?』

『さぁ~。じゃれ合い?』

『じゃれ合いねぇ。
ってか、本当に仲良いよね。喧嘩とかしないのかな?』

華代は背伸びをしてから、少し眠そうな目で私を見てきた。

『するんじゃない?今でも恋のライバルだし』

『ライバルって‥』

『だってそうでしょ?鳴海君、今でもまだ結の事好きだよ。さっき結と俊君が見つめ合ってる時、寂しそうな顔してたし』

『見つめ合ってなんか‥』

華代と目を合わせづらくて外に視線を向けた。

『ねぇ~結。俊君にチョコ渡したら?「好きです」って言わなくてもいいけど、気持ちが向いてるっていう事示そうよ。そうしないとクラスの誰かに取られちゃうよ。
それでもいいの?』

華代に言われて気付いた。
そうだった。このクラスの女子は俊チャン狙いが多いんだった‥

陸上が終わった今、俊チャンと2人で宿題をやることも、練習会場まで歩いて行く事もない。でも‥

「みんなより1歩でいい。たった1歩でいいから前にいたい」そう思った。


その時、ある決心をした。

決戦日は「2月14日」