『でもさ、俊も桜井も決勝に進出したんなら1位取れよな~。2人揃って7位って‥微妙じゃね?悠もそう思うだろ?』

『ん~。
でも、2人が頑張ってたの知ってるしさ。やっぱ上には上がいるんじゃないかな』

『私もそう思う。結が本当に陸上に専念していたらの話だけど(笑)』

『華代~!!』

華代は舌を出して笑っていた。
それじゃあ、まるで私が練習に専念していなかったみたいじゃんか。

華代の軽い口を塞ごうとしたとき、呆れた顔で和樹君が言った。

『何だよ。桜井、陸上以外の事を考えてたのかよ』

『ち、違うよ!私は‥』
『って事は、同順位の俊も陸上以外の事で頭がいっぱいだったって事か?』

一斉に俊チャンを見た。

『な、何だよ!みんなして俺を見るなよ。俺は‥』

そう言いながら、何故か私を見てきた。

『ん?』

俺は‥の続きが気になったので、私も視線を逸らさなかった。

その時華代は、私たちを見て「うんうん」と何度も頷いていた。悠君は、私と俊チャンを交互に見たあと私たちから視線を逸らした。和樹君は、そんな4人の表情を見て複雑に思ったらしい。

『‥なんかさ、俺だけ仲間外れじゃね?』

寂しそうな声で言った。

『そ、そんな事』
『俺は和樹とダチだけど?』

俊チャンが話に入ってきた。

『お~、心の友よ。俊、大好きだぁ~!!』

和樹君は俊チャンに抱きついた。

『暑苦しっ。和樹、離れろよ~』

『イーヤーダー(泣)』

『離れろって!!』

何度も振り払っても、和樹君は俊チャンから離れる事はなかった。それどころか、悠君までもが仲間に加わった。